よく分かる!リン酸処理と、消泡剤の必要性について解説します


リン酸処理って何?何のためにするの?

リン酸処理とは、化成処理の一種であり、その中でも代表的なものの一つです。化成処理とは、化学的な方法によって、金属系素材の表面に皮膜を作り出す処理のことを言います。それにより耐食性、塗料との密着性を向上させることができ、元の素材に不足する性質を、用途に応じて付与するという目的があります。リン酸処理は、リン酸塩の溶液を用いて金属表面皮膜を形成する処理方法です。主な用途は、油分の吸着性の高さを生かし、潤滑剤としての使用、油分の吸着によって得られる防錆効果の付与です。また、金属表面の光沢を抑え自然な仕上がりにするという外観への効果もあることから、建造物の外壁や自動車、その他あらゆる工業製品に使用されています。

消泡剤って何?どうして必要?

リン酸処理は、性質上、表面に気泡が発生してしまいます。すると、見栄えが悪くなるだけでなく、金属同士の接合に支障をきたすおそれがでてくるのです。そこで重要になるのが、消泡剤です。消泡剤とは、読んで字のごとく、「泡を消す」ためのものです。この工程なくして金属の表面を滑らかにすることはできないため、消泡剤の使用は金属の表面加工において、非常に重要なものであると言えるでしょう。

金属加工に適した消泡剤とは?

リン酸処理を行う際は、消泡剤の使用が必須ということが分かりましたね。では、どのような消泡剤を使うべきでしょうか。実は、消泡剤には、界面活性剤、シリコン系など、用途ごとに様々な種類が存在します。今回紹介したリン酸処理には、界面活性剤タイプを使用することが多いようです。しかし、金属によっては思わぬ反応を示すことがあるので、念のため対象となる金属との親和性をしっかり調べてから使用する必要があるでしょう。

リン酸処理は金属製品の錆防止を目的として行われる場合が多いですが、自動車などの塗装の下地処理としても広く利用されています。